臨床工学科

はじめに

病院の中には医師や看護師の他に、レントゲン・CT・MRIなどを扱う診療放射線技師、血液や細菌検査・心電図や脳波などの検査を行う臨床検査技師、リハビリテーションを行う理学療法士が働いています。ここでご案内する『臨床工学技士』も病院で働く医療技術者です。医師以外の診療補助に従事する看護師や各種の医療技術者のことをコメディカルと呼んでいます。臨床工学技士はコメディカル職種の一種であり、現在の医療に不可欠な医療機器のスペシャリストです。今後益々増大する医療機器の安全確保と有効性維持の担い手としてチーム医療に貢献しています。                            
JA山口厚生連では、平成15年6月1日に診療部門の一部門として臨床工学科が位置づけられ、設置されました。現在は、4名の臨床工学技士でME機器の使用環境の整備、設備の安全確保、機器の性能確保・維持及び保守管理業務を手術室、血液浄化業務と兼務しながらチーム医療の一員として業務の遂行にあたっています。
最近では、平成19年4月に施行された医療法改正において「医療機器に係る安全確保のための体制の確保」が設定され、医療機器安全管理責任者の設置、従業者に対する安全研修の実施、保守点検に関する計画の策定と適切な実施、安全使用のために必要となる情報の収集がすべての病院に義務付けられました。
病院内にはさまざまな医療機器が存在していますが、医療機器は日々進化し、これら多くの高度医療機器をはじめとする生命維持管理装置を安全に使用するために我々臨床工学技士の役割は今後ますます重要になってくると思われます。
当科では、各部署との連携協力体制の確立に重点を置き、各医療機器の機種統一を積極的に進めながら標準化を図り、医療機器の適正使用などについての啓蒙啓発活動にも積極的に取組み、リスクマネージメントを向上させられるよう努力しています。
今後も、更なる研鑽を積み、中央管理、一元管理にふさわしい医療機器管理室を構築することを目標として努力していこうと考えています。

 

理念・基本方針

医師の指示の下、他コメディカルと共にチーム医療に貢献し生命維持管理装置の操作・保守点検を行い安全と安心のできる医療機器を提供する。

設備詳細情報

医療機器分析器

血液浄化機器

中央管理機器

 

 

業務内容

血液透析

 

  • ベッド数25床 総患者数:59名(平成30年4月現在)
    月、水、金(午前・午後・夜間) 火、木、土(午前)で血液透析を施行しています。

臨床工学技士の主な業務

 

  • 水質管理、透析液供給装置・水処理装置の日常点検
  • 物品管理と準備、透析回路組立、プライミング、治療開始前の透析装置の点検
  • 透析開始時の穿刺・機器操作、透析中の患者観察、透析終了時の返血操作
  • 採血結果のデータ分析・集計

透析装置

 

  • 患者監視装置26台(JMS社製:GC-110N 4台、GC-210 13台 日機装社製:DCG-03 2台、DCS-100NX 6台)
  • 重症透析室及びICU専用 1台 JMS社製 個人用透析装置 SD-300
  • 多人数用透析液供給装置 日機装社製 DAB-30E
  • 逆浸透水処理装置 JWS社製 MIZ752PC-H
  • 粉末溶解装置 日機装社製 DAD-50NX

2007年4月より電子カルテと透析情報システム(ERGOTRI)を連携して、今まで以上に医療安全、患者サービスの向上及び業務の効率化を図っています。

 

 

JMS透析情報システムERGOTRI NX(2009/04/11バージョンアップ)

電子カルテを通して、患者様の基本情報・各種検査結果・資材等のマスターの自動取り込みを行い、透析情報システムからは、各部門に対して、処方・注射・検査・処置などの一括オーダー・透析中の所見、医事課への課金情報などを渡すことが可能となります。

透析センター内では、患者監視装置・体重計・血圧計をオンラインで透析情報システムと接続することにより、自動除水設定。血圧データの自動取り込み。患者監視装置の各種データの自動取り込みが可能となり、スタッフが患者様と接する時間を増やすことに貢献します。さらに、透析中の記録を発生源入力することにより容易に透析記録用紙の電子保存が可能となり、その情報は、病棟を含め、各電子カルテ端末で閲覧可能となり情報の共有化に役立ちます。 透析情報システムは、患者様を中心としたチーム医療を今まで以上にサポートします。

 

『JMS透析情報システムERGOTRI NX』 

その他の血液浄化

持続緩徐式血液透析(CHD)、持続緩徐式透析濾過(CHDF)、持続緩徐式血液濾過(CHF)  血液吸着(DHP),エンドトキシン吸着、白血球除去、胸水・腹水濾過濃縮再静注、血漿吸着(PA)、単純血漿交換(PE)などを行っています。

中央管理機器業務

平成25年4月現在の保守管理機器及び保有台数は、病床数182床に対して、輸液ポンプ:TE-131A 54台、TE-161SA 17台、TE-171A 4台、経腸栄養ポンプ:FE-201 3台、TOPA-600 1台、在宅用携帯型:HPNポンプ 4台、小型シリンジポンプTE-361 1台、シリンジポンプ:TE-331S 12台、TE-371 2台、SP-80Rs 2台、TE-351Q 6台、TE-332 1台、低圧吸引器:SD-2001/2002 7台、逐次型空気圧式マッサージ器:A-Vインパルス MODEL6000 17台、SCD-700シリーズ 10台、人工呼吸器:Savina 2台、Savina 300 1台、Evita XL 1台、Carina 1台を稼動状況に応じてレンタルも含めて、病院の共有資産として臨床の場に最適に運用出来るよう中央管理で一括管理しています。定期点検については、輸液ポンプテスター(大正医科器械・IDA4Plus)や除細動テスター(日本光電・エネルギーチェッカー)、その他、各医療機器の専用チェッカー(漏れ電流チェッカー等)などを用いて、精度の高い効率的な点検を行っています。最近では、バッテリーチェッカー(大正医科器械・デルパソ)を導入してバッテリーの効果的で効率の良い点検も行っています。また、平成19年度の改正医療法に対応したME機器管理システム(ME-Station)の更新を行い、医療機器一台毎の機器情報や点検スケジュール、点検・修理の記録を一元管理し、機器管理を確実に行っています。機器の貸出・返却もタッチモニターとバーコードリーダーを併用して操作を簡単・迅速・確実に行えるように変更しました。これに伴い、機器カルテに今以上のデータを蓄積し、機器の回転率、保守コスト、故障原因などの履歴データを集計・グラフ化し分析する事により、安全性の確保は勿論、経済的効果にも寄与できるよう努めています。新しいシステムを導入は、臨床工学技士の機器管理業務負担軽減による臨床業務への貢献度を向上させ、また日々蓄積されて行く各種データを有効活用していく事で、安全性の向上は勿論、経済的効果にも寄与できると考えています。

 

 

手術室業務

2012年4月より1名の増員を行い、臨床工学技士(看護師業務兼務)が手術室に常駐になりました。業務内容は手術室設備点検・術中使用機器の保守点検・看護師教育など多岐にわたります。手術の安全かつ円滑な進行のため医療機器の安全性・信頼性の確保の為、医師・看護師と連携をとりながら日々の業務に取り組んでいます。

 

  • 保守点検業務
    手術室では術式に応じてさまざまな医療機器が使用されます。臨床工学技士は、手術が安全かつ円滑に行えるよう、機器の日常点検、定期点検、必要に応じた調整などを行っています。
     手術周辺機器準備・操作
     麻酔器 生体情報モニタ 電機メス 内視鏡機器 顕微鏡他 
  • 臨床技術提供業務
    外科のラジオ波熱凝固療法(RFA)
    眼科手術装置の操作(白内障及び硝子体手術)
    腹腔鏡手術他、関節鏡下手術等の機器操作
    ペースメーカ植込手術及び植込患者手術への立会い業務
    麻酔導入介助(画像の取込み含む) 

高度医療を行う医療現場、そこでは24時間休むことなく医療機器が治療を担っています。医療機器に依存した現代医療では、医療機器に対するリスクマネージメントは重要です。当院でも、医療安全管理室が中心となり、医療事故防止に努め、安全対策を講じています。 

 

その他の業務

 

    • ペースメーカ業務
      定期的に行われるフォローアップ時のプログラマ操作とデータ管理、ペースメーカ植込み・電池交換手術時のアナライザ操作、ペースメーカ植込み患者さんの手術時の立会いなどを行っています。 
    • ESWL(体外衝撃波結石破砕装置)業務
      治療開始前の装置の立ち上げと始業前点検、治療中の装置トラブルの対応、治療終了時のデータ転送や片づけなどを行っています。
    • シャントPTA業務
      物品の準備と医師の補助を行います。治療中や終了時にはシャントの状況を医師と確認して透析中の穿刺部位を検討、その情報を透析室スタッフに報告します。
    • 排尿機能検査業務
      検査前に機器の準備・校正を行います。検査中も立ち会い、データ処理と結果のレポートを作成します。
    • 平成29年度実績
      ペースメーカー業務:12件
      ESWL(体外衝撃波結石破砕装置):45件
      シャントPTA介助業務:24件
      排尿機能検査業務:8件
    • お問い合せはE-mailで(rinshoukougaku@ogoridaiichi.jp)お願いいたします。

(臨床工学科 科長 小廻哲也)

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