センター長より

ご挨拶

令和の時代が始まりました。平成22年に開設した小郡第一総合病院人工関節センターは10年目を迎えています。すでに多くの患者さんにご利用いただき、本年度中にはセンター開設後の手術件数が2000例を超える見通しです。当院で手術を受けられた方やそのご家族、各部門のスタッフに支えられて、ここまで歩みを進めてくることができました。心から感謝申し上げます。 

  さて、当センターでは、開設当初から「安全な手術」、「術後機能を追求した正確な手術」、「快適な入院生活」の3つの理念を掲げ、努力を重ねてきています。 

 

  「安全な手術」を行うために、手術前にからだの状態をしっかり検査するだけでなく、かかりつけのお医者さんとも連絡を取って、万が一に備える体制をとっています。また、手術後の感染(キズが化膿すること)の原因となるう歯(虫歯)や歯槽膿漏といった歯科疾患のチェックも行うようにしています。加えて、手術後に他者の血を輸血しなくても良いように、自己血輸血専門ナースがあらかじめご自分の血を貯めて備えるようにしています。そのため、来院後すぐに手術というわけにはいかないことが多いのですが、安全第一のモットーをご理解いただけたらと思います。 

 

「術後機能を追求した正確な手術」については、私たち専門医が最もこだわってきた部分です。手術を受けられる方に合わせた手術方法や、使用する人工関節の種類をしっかりと検討して使い分けを行っています。また、人工膝関節においては、骨だけでなく靭帯などの軟部組織のバランスもきちんと調整する手術を行っています。“ギャップテクニック”と呼ばれるこの精密な手術方法は、県内ではまだ取り入れている病院が少なく、当院は手術見学施設として、県外からも多くの専門医の見学を受け入れています。ともすれば、キズの大きさや入院期間、手術時間などを気にされる方が多いのですが、最も重要なのは手術後の機能ではないでしょうか? もちろん、キズの大きさや入院期間、手術時間なども専門チームとしてのプライドを持って全国トップレベルを目指しています。 

 

「快適な入院生活」についても、さまざまな取り組みを行っています。当センターで人工関節手術を受けられる方は、手術当日から手術後3日程度まで、専用の個室に入っていただくようにしています(この期間は個室の差額料金はいただいておりません)。専用個室には、車椅子でも入れるウォシュレット付きトイレが完備してあり、原則手術の翌朝からご使用していただいています。手術や麻酔の影響が残っている数日間を、周囲の方に遠慮することなく過ごせるようにという当センターならではの配慮です。また、お元気な方の場合、食事は広くて明るいデイルームでとって頂くことも可能です。人工関節手術を受けられる患者さん同士のコミュニケーションの場になっているようです。中には、同じ時期に手術された方同士 で定期的に同窓会?をされているグループもあるそうで、これも当センターならではかもしれません。 

 

   今まで一歩ずつ進んで参りましたが、現在でもまだまだ理想とする治療に到達することはできていません。そのうちに、 iPS細胞を使った治療が実用化されて人工関節手術がなくなる日がやってくるかもしれません。仮にその日がやって来るとしても、その日まで私たちは努力を重ねてゆく所存です。今後とも、皆さんの変わらぬご支援をお願いして、私の挨拶とさせていただきます。 

 

令和元年5月1日

小郡第一総合病院 人工関節センター長 藤井裕之(ふじい ひろし)

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