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研修医後記

名古屋大学整形外科 藤原祐樹(平成18年卒)

平成21年1月~平成23年12月

私は名古屋大学を卒業後初期研修2年間、形成外科研修を9ヶ月間小牧市民病院で行った後、整形外科後期研修医として平成21年1月より平成23年12月まで当院で3年間研修をさせていただきました。

整形外科医の間でも虎の穴として有名な当院で整形外科初心者として研修することは、当時はあまり深く考えていませんでしたが、今になって思えば本当に無謀かつ大胆であったと思います。

現に、研修開始当時は外来診療も満足に出来ず、周囲の先生方にご迷惑をかけるばかりの日々でした。
厳しいカンファレンスでの症例呈示がおぼつかなく、研修開始後1年間は前日に台本を作って練習してから本番に臨む日々が続きましたが、そんな私に対して周囲の先生方はフォローとアドバイスを惜しみなくしてくれました。

診療に関する手外科、脊椎外科を中心とした実践的なことから、国際学会を含む学会発表や英語論文などといった医学研究の仕方、ときには整形外科医としてどのように社会と関わっていくべきなのかといった人生訓のようなものまで、本当に多岐にわたる様々なことを学ぶことが出来たと思います。

「医者になって5年が大切な期間である。この5年間にどのような教育を受け、それを身につけることが重要である」とはよく言われることですが、その点で私は本当に良い時期に充実した研修を受けることが出来たと思います。

どこの馬の骨とも知らない私を受け入れてくださり、スタッフと分け隔て無いどころかむしろそれ以上に学ぶ機会を与えていただいた、土井院長先生(当時)をはじめとする病院の全ての関係者に対しては、本当に感謝の言葉もありません。
また、学会等でお会いすることも多いと思いますが、そのときには胸を張って会うことができるよう、当院で学んだことを生かして精進していきたいと思います。

3年間本当にありがとうございました。

東京慈恵会医科大学整形外科 荒川雄一郎(平成8年卒)

平成21年10月~平成23年3月

土井院長先生(当時)、1年半もの間研修させて頂きまして有難うございました。また、手外科の知識・技術ともに乏しい私を指導されるのに大変な御苦労をおかけいたしまして申し訳ございませんでした。

小郡での研修は私にとってハイレベルなものでとても厳しいものでした。しかし、少しでも追いつきたいと自分なりに努力をしたことで、研修はとても充実したものにすることができました。

今まで研修された先生方が揃って言われているように、小郡第一総合病院での臨床は勿論のこと、学問に対する医師としての心構えまでも学ぶことができましたことは、私の今後の医師人生にとってかけがえのない財産になると確信しております。

土井院長先生(当時)の下で研修できたことは私の誇りです。今後は更なる向上心をもって精進してゆく所存です。本当にどうもありがとうございました。

旭川医科大学整形外科 松尾卓見(平成9年卒)

平成22年4月~平成23年5月

整形外科専門医の資格は取得していましたが、手外科に関しては全く白紙の状態でお世話になることになりました。来た当初は、ここで行われているレベルがあまりにも高いことに驚きました。最後の最後までご指導を続けて頂いたことに対し、心からお礼を申し上げます。

加えて今まで私が経験したことのない全国学会に2回も発表の機会を与えて頂いたことに対して大変感謝しております。演題を頂いた土井院長先生(当時)は勿論のこと、発表スライド作成の際には、休日を返上してマンツーマンで御指導して頂いた服部先生にも言葉では表せないほど感謝しております。今回経験した口演発表と、現在作成中の論文発表は、まぎれもなく自分の医師人生の中で最大の業績になりますので、新潟に移っても必ずしっかりした形で完成させたいと思っています。

また、小郡に来るまでは「関節外科」や「OS NOW」といった医学雑誌が私の愛読書でバイブルでもあったのですが、「Green 5th」の著者でもある土井院長をはじめ、服部先生、坂本先生といった、これらの執筆者の先生方々とお知り合いになれ、医局内で一緒に机を並べて勉強できたことも、貴重な経験となりました。

最後に、大学病院レベルでもお手上げの難治例の症例に対しても、一切妥協することなく常に最高の医療を施そうと、戦っている土井院長先生(当時)をはじめとしたスタッフ皆様の真摯な姿勢は、非常に刺激となりました。自分には決して真似が出来ることではありませんが、今後の医療を続けていく上で、少しでもフィードバックできればと思っております。

正直な話、北海道北見という遥か遠方から家族を伴って生活の場を移して一年間の研修生活を送ることは、非常に労力を要し大変なことでしたが、今では来て良かったと心の底から思っています。それは小郡で研修を積んだことは、私にとって一生の誇りでもあり人生最大の財産ともいえるからです。

皆様、1年2ヶ月の短い期間でしたが、本当に有難うございました。

慶應義塾大学整形外科 髙木岳彦(平成12年卒)

平成23年4月~平成24年3月

2011年4月1日から1年間、麻酔科の妻と共に小郡第一総合病院に大変お世話になりました。

医局の枠をこえて勉強する必要性を感じ、土井院長先生(当時)に当時京都で開かれていた基礎学会の会場で思い切って話をさせて頂きました。そして初めて小郡に来たのが3年前の6月。東京から新幹線で5時間ほどかけて挨拶に伺いました。

2年待機の後、研修を始めさせて頂きましたが、腕神経叢損傷、マイクロ症例に限らず手外科全般の症例が豊富であることに驚きました。それらの適応、手術手技、後療法に至るまで、予想をはるかに超えて多くの事を学ぶことができました。手術時の厳しさを含めて、妥協の許さない診断、治療が小郡第一総合病院の最高の医療を生んでいると思います。

またGreenや英文雑誌から貧欲に知識を吸収しようとする土井院長先生(当時)、服部先生、坂本先生の姿勢からも学ぶことが多く、今までの自分がいかに甘かったか認識させられました。自分が今後手外科、マイクロを専門にしていく以上、この様な姿勢を大事にしていきたいと思います。

加えて、こちらの先生方は、手術が非常に上手でそれに驚かされる毎日でした。またそれにとどまらず、夜遅くまで論文を書いてこの小郡第一総合病院での医療を世界に向けて発信していこうとする努力もすばらしいものがありました。

もう1つは学会発表、論文に対する指導です。先生方の指導のお蔭で、豊富な鏡視下手根管開放術の症例をまとめることができ、1月の中部手外科研究会ではBest Young Investigator’s Awardを頂きました。感謝の気持ちでいっぱいです。

小郡で学んだことをいかに生かしていくのかが今後医師として自分の力の試されるところだと思います。これからも学会等でも御指導頂く場面も多いかと思いますが、何卒宜しくお願い致します。1年間、御指導有難うございました。

大阪市立大学整形外科 福田誠(平成13年卒)

平成23年4月~平成24年3月

平成23年4月から1年間こちらで研修させていただきました。整形外科医として勤務するようになり7~8年目ぐらいから、手外科とマイクロをしっかりと勉強したいという思いを持つようになり、こちらに研修に来させていただきました。

まず外来では基本的な診察に関することを改めて勉強させていただき、またいろいろな病院で治療を受けてきた難治例の方々の診察、治療方針の立て方など見学させていただきました。手術では筋肉移植をはじめ、神経に関する手術の数々や、変性疾患、外傷の手術など様々な手術、通常ではあまり経験できない手術などを拝見させていただき、一つの手術としては真似できなくても、手術のちょっとした一手技でも大変参考になり、習得できそうなことは、今後、自分のものにできるようにがんばりたいと思います。

リハビリにおいても、OTの方々と頻繁にやりとりをしながら後療法を進められており、またOTの方々も非常に熱心であり、そういうリハビリに対する環境や、また看護師、放射線技師、薬剤師の方々も非常に協力的で、そのような医療環境もまた小郡第一総合病院の素晴らしいところであると感じました。

また忙しい中、学会活動に関する取り組みをしっかりされており、私自身も発表までの指導をしていただき、自分の苦手なところでもありましたので、そういった意味でも非常に勉強になりました。

自分が整形外科医として働くようになって、この1年間は非常に内容の濃い、充実した1年間だったと思います。こちらの先生の働きぶりを拝見させていただいて、まだまだ自分はこれからであることを再認識し、もっと精進しなければと思っております。

1年間ご指導ありがとうございました。

和歌山県立医科大学整形外科 下江隆司(平成17年卒)

平成26年4月~平成27年3月

小郡第一総合病院での1年間、多くのことを学ばせていただき、貴重な経験をさせていただきました。いずれも一言では言い尽くせない今後の大切な糧となることばかりですが、その中で印象に残っていることを簡単ながら書き留めさせていただきます。

小郡第一総合病院は182床とそれほど大きな規模の病院ではないものの、手外科・マイクロサージャリーを用いた再建外科領域において質の高い医療が、極めて高度な治療法を含めて行われています。特に腕神経叢損傷におけるダイナミックかつ繊細なマイクロサージャリーを用いた機能再建術は、鍛え上げられた心・技・体の結晶であると感じました。当然、手術も長時間に及び、術後管理も大変であるにもかかわらず、臨床研究および教育も積極的に推進されています。小規模ゆえの機動性の高さといった利点も有効に活用しながら、臨床・研究・教育と、大学を上回る医療が行えるということを目の当たりにし、例えば田舎の病院だから、とか救急病院で忙しいから、とか何かをできないことの言い訳は通用しないということを痛感しました。

手術に関しては、これまでは各疾患の勉強をすることが多かったですが、小郡に来てからは総論、解剖の勉強を行うことが多くなりました。腕神経叢から指尖部再接着まで、四肢、胸部から背中まで展開する機会が多く、解剖学の重要性を改めて認識しました。また、骨関節・靭帯・筋腱・神経血管、ありとあらゆる手術の実際を勉強させていただき、今後はこの経験を活かして診療を行っていきたいと思います。

学会活動では、世界マイクロサージャリー学会で2演題、日本マイクロサージャリー学会で2演題、日本手外科学会で1演題と、多くの発表の機会を与えて頂けたことも、勉強になりました。

また、海外からも多数のフェローが研修に来ており、私の在籍中だけでもインド、オーストラリア、イギリス、中国、台湾と多くの国々の先生方と働かせていただき、国際的な感覚、英語でのカンファレンスなど、他の施設の国内留学ではなかなか得られない貴重な経験もさせていただきました。小郡の先生方を通じて、国内外の多くの先生方と知り合いになれたことにもとても感謝しております。

小郡第一総合病院の皆様、1年間大変お世話になり、ありがとうございました。今後は、ここで学んだことを活かし、自身のレベルアップ、そして和歌山県の医療に貢献することができるよう邁進する所存です。今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
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