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センター長より

ご挨拶

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

昨年も新型コロナウイルスの影響で、自粛ムードの強い一年となりました。また、院内クラスターが発生した際には、予定していた手術の中止や延期などで、当センターご利用の皆様にも大変ご迷惑をおかけいたしました。心よりお詫び申し上げます。

当院人工関節センターでは、2020年12月から導入した人工関節用ロボット(ROSA)が本格的に稼働を開始いたしました。手術用ロボットと言っても、すべてをロボットが行ってくれるわけではありません。基本的には人間が手術を行い、骨を切る部分をロボットが担当しています。骨を切る際には、手術前計画に沿って、1mm単位、1°単位の正確な操作が要求されますが、これまではガイドと呼ばれる道具を用いて、人間が行っていました。当然、術者の経験や技術により精度に差が発生していましたが、ロボットを導入することにより、熟練の技が安定的に再現できるようになったのです。ただし、ロボットは計画された通りに動作するだけです。人の身体は誰一人として同じではありませんので、患者さんにどのような人工関節をどのように設置するのかは、計画する医師の知識と経験により決まります。良好な長期成績を得るために、術前計画の重要性がより増してくる時代になったのだと言えます。当センターでは、2010年からコンピュータソフトを用いた3次元の手術計画を行っており、そのデータは蓄積されています。また、手術を受けられた患者様には原則として年一回の定期チェックを受けていただくことにより、長期的な問題に対するデータもすべて蓄積、共有してきています。人工関節置換術後に、発生率こそ少ないものの、一定の不具合があることは、世界中で知られていることです。もし不具合があれば早期に発見し、大事に至る前に早期に対処するのが当人工関節センターの方針です。患者様は、人工関節が永遠不滅なものでないことをご理解いただき、年一回の検診には是非ご来院いただけたらと思います。得られたデータから、より長期成績の良い人工関節とは何なのかを常に検証して、学会や論文として発表し続けているのです。手術を行うことが目的ではありません。長期的に良い関節、よりよい生活を患者さんに提供することが目的なのです。手術後の状態を調べ続けることなくして、長期に良好な成績を確実に生み出す手術はありえないのです。皆様に安心して手術を受けていただくために、当センターは進化し続けていきます。

当センターでは、2010年の開設以来一貫して「安全な手術」、「正確な手術」、「快適な入院生活」という理念を掲げ、チームとしての成長を目指してきました。今年も、鋭意努力を続けていく所存です。皆さんの変わらぬご支援とご協力をお願いして、私の新年の挨拶とさせていただきます。

令和5年1月1日
小郡第一総合病院 院長、人工関節センター長 藤井 裕之(ふじい ひろし)
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