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人工関節とは

どんな手術?

関節の傷んでいる部分を取り除いて、金属、セラミック、ポリエチレンなどから作られた人工関節に置き換える手術です。

人工膝関節の例

人工股関節の例

対象になるのはどんな人?

対象疾患には、変形性関節症関節リウマチ骨壊死症などがあります。関節の痛みや動きの悪さのために日常生活の動作が障害されている方で、手術以外の治療法(体重のコントロール、筋力強化訓練、内服薬、装具など)を行っても症状が十分に軽減しない場合に、人工関節手術を検討することになります。
人工関節の耐久年数は、以前は10年、20年というふうに言われてきました。しかし、耐用年数は素材や技術の進歩により確実に延長してきています。それどころか、日常生活だけでなく、一定のルールを守っていただければスポーツも可能であることが証明されつつあります。ただ、いくら成績が改善してきていても、人工物である以上破損や摩耗が起こったり、骨との接合部に緩みが生じたりする可能性はあります。現在、人工関節手術の20年成績は、再置換(入れ替え手術)を行わずに使用できる確率が90%を超える報告が増えてきています。ただ、患者さん個々の条件(関節の状態、体重、環境、理解度など)が異なる上、手術を行う医師も違うわけですから、当然個別に成績は異なることが予想されます。むしろ、成績の良い病院が論文を書いていると考える方が自然です。手術を受けられる際には、担当医としっかり信頼関係を構築して知りたい情報を確認すること、手術後のアフターケアについても十分確認することが重要だと思います。
最近では、比較的若い世代の方であっても、より快適で質の高い生活を再獲得するために、人工関節手術を選択される方が増えてきています。人工関節手術を検討される場合には、現在だけでなく、今後の人生設計を考えた上でしっかり検討し、決断されることが肝要です。

その効果は?

人工関節では、関節の傷んだ部分をすべて取り除くため、「痛みを取る」効果が大きいのが特徴です。そのほか、変形や痛みのために制限されていた関節の可動性(動き)を取り戻すこと、他の関節への負担を軽くすること(痛みのある関節をかばうことで、他の関節にも悪影響を及ぼすことがあります)、活動性の増加により下肢の筋力がついてくること、などが期待される効果です。

小郡第一総合病院 人工関節センター長 藤井 裕之
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